パネルボンド補強詳説マニュアル!

内容は雑誌「レブスピード」のお墨付き! チューニングカー(改造車)のユーザー車検とパーツ取付情報がいっぱい。

パネルボンド補強のやり方を詳しく紹介!

 お手軽ボディー補強として最近注目されているのが、パネルボンドを使った方法。ボディーに負担をかけずに・スポット増し補強並みの効果!
1st−Stageの人柱シリーズ。パネルボンド補強で陥りやすい失敗例をご紹介します!


 1st-stage号は2008年で8年目になり、ボディーのやれが体感できるようになってきました。段差を乗り越える時、車がねじれているのが分かるようになったのです。両輪同時に段差を乗り越えるときはネジレを感じないのですが、段差に対し車の角度が付いているとき、具体的には右輪を段差に乗せた後に左を載せるようなときにボディーのネジレを感じるようなりました。

 今乗っているランサーエボリューション6トミマキエディションは、ストラットタワーバー・筋金くん等の補強バーはもちろん、リヤタイヤハウス周辺はリベット補強、パネルボンド補強と一通りの補強がされています。が、よーく見てみるとパネルボンド補強は下回りの必要最少限になっていました。


■ボディー補強法の比較

 あたなもご存知のようにボディー補強の方法には、スポット増し、リべット打ち、補強バーなどがありますね。それぞれー見ー短がありますので簡単にまとめておきますね。
まぁ、雑誌なんかで定期的に取り扱われているお決まりのネタですが、簡単に比較それぞれの比較をしてみます。

・スポット増し:ボディーをスポット溶接をします。
 →剛性高い@・価格超高い・技術超高い・錆の可能性・作業超面倒・特殊工具・原状復帰できない。

・リベット打ち:ボディーにリベット を打ち込みます。
 →剛性高いA・価格高い・技術高い・作業面倒・原状復帰が難しい。
 
・補強バー:ストラットタワーバー 等ボルトオンで装着します
 →剛性高いB・価格手ごろ・ボルトオンは超楽・場所が限定される・元に戻せる・色々な種類が出ている。

パネルボンド :鉄板同士を特殊ボンドで固める
 →剛性高いA・価格手ごろ・技術度は低い・作業はスポットより楽・元に戻せない。



■パネルボンドとは?
  パネルボンド補強は、超強力な接着剤でボディーパネル同志を密着させる補強法です。基本的な利用シーンは、板金屋さんが車の修理する際に使うことを想定しているそうです。

 一般的なお手軽補強チューニングとしてパネルボンドがメジャーになってきたのは、つい最近なんですがレース屋さんの間では大昔からメジャーな補強方法だったそうです。

 近頃では、レクサスの製造工程にも採用されているそうですので効き目は折り紙つきと考えて良いでしょう。(採用されているのが3Mのパネルボンドかどうかは分かりませんが・・。)

 パネルボンドと言われる商品は、 3M社製の「オートミックスパネルボンド8115」です。黒い溶剤と凝固液が容器内で別々に分かれていて、容器の後ろから押し出すとノズル内で2液が混ぜ合わさり硬化させる仕組みになっています。

 雑誌で調べてみるとパネルボンドと同じ効力のあるものとして、薄い透明ピンクだったり、べっ甲飴色のボンドがあるようですが、商品名までは分かりませんでした。

 ちなみに今回入手した 3Mパネルボンドは、アメリカからの平行輸入品でした。パッケージには、この製品はアメリカのNascarレースでで採用されているといった内容が印刷されています。お気づきになられた思いますが、パネルボンドにはアメリカ製があれば、日本製もあるわけですね。

 日米3Mパネルボンド比較は、「熱血!チューニングカー親父」で紹介しています!日米3Mパネルボンドは同じではないです!

パネルボンドを塗る前にすること

■パネルボンド補強作業で用意するもの


・3Mパネルボンド
コーキング用ガン 2本
スクレーパー ・3センチ/1センチ
・ドリル+ワイヤーブラシ
・ヤスリ
・キリ
・ブレーキクリーナ
・シャシーブラツク(スプレー缶)
・グラインダー

  パネルボンド 補強作業で必要なものには特殊な道具はありません。全て100円ショップで揃えられるようなものばかりです。

 高額なものはありませんので数(種類)を揃えるのが効率的な作業のポイントです!

■いよいよ作業開始
 今回は、フロントストラット周辺を重点的に補強します。フロント部分の剛性を上げることでステアリングレスポンスの向上を狙います。

 まず、作業スペースを確保するためにフェンダーを取っ払います。フェンダー自体を取っ払う作業は簡単なのですが、それなりの覚悟が必要ですね。

 

 あたなもご存知のように、フェンダーの取り付けボルトを外すことで、事故車扱いになってしまい車としての価格が落ちてしまい下取り査定では不利になります。

 でも、8年目の車に今更査定も無いよなぁ。第一事故車じゃないんだから。そんなの見抜けない査定士なんかには売らねーよ。と勝手な言い訳を作り自分を納得させました。(笑)

 ランサーエボリューション6のフェンダーを取り外すのはボルト7本を外しだけで終了!(正確には、インナーフェンダーを外しますが・・。)フェンダーを外すとサイドフレームとご対面することができます。

 早速パネル同士のつぎ目をチェツク。

 タイヤハウス部分を見て驚きました。なんと、三重の補強がしてあるじやないですか!しかも、補強方法が1パターンではなく場所に応じて3パターンになっているのです。三重目はぶ厚く小さい鉄板に所狭しとスポツト溶接がされてます。

さすがは競技用べ一ス車!効果的な補強をしているんでしょうね。ランサーエボリューションってすごい。
















































■コーキングはがし作業は大変。
 作業したのは2月中旬。雪が降り、あまりにも寒く作業を延期した日もありました。

 最高気温は6度。寒さでガチガチに固くなっていコーキングを無理やりスクレーパー で削り取ります。100円ショップの安物スクレイパーだったためか?思うようにコーキングがはがれません。片手で削れば剥がせるだろうなんて考えていたのは甘かったのでした!

 クレイパーを両手でしってかり持ち、体重をかけながらスクレーパー刃の角で押し出すようにしてコーキングを削ります。作業は、スクレーパーで削るだけでは終わりません。コーキングの削り残しが狭いところに残っているので、刃幅の狭いスクレーパーで丁寧に削り落します。


 まだまだ続きがあります。パネルとパネルの間に詰まっているコーキングをキリでほじくり出します。これが耳あか取りをするような感じの細かい作業でした。

 この作業を パネルボンド を塗る部分に全てにしていきます。気温6度真冬の屋外でも体が汗ばむ作業でした。

 何とかコーキングを柔らかくするためにエンジンをかけ暖気の熱で暖めてみると、かなり作業がはかどりました。我ながらなかなか良いアイディアでしたが、マフラー交換している車では、そう長くエンジンを掛けっぱなしにすることはできませんでした。近所から苦情が・・・・。


■コーキングの下にはすきま有り!
 ストラツトハウス上部のコーキングをはがしたら、大発見。
 パネル同志のつぎ目を見て正直びっくり!サイドメンバーとストラツトハウスの間に大きな隙間が開いているのです!下から覗くと青空を拝むことができます。上から見ると下の地面も見えます!(ビックリして写真撮り忘れました。)


 先ほどのタイヤハウス部分の考え抜かれた補強と比べるとそのギャップに考え込んでしまいます。ここを パネルボンド補強すれば、間違いなく剛性効果が出るはずです!

 他の場所のコーキングを剥がしてみても大なり小なりの隙間がありました。そもそもコーキングの役割は外からの水分侵入を防ぐためのものだから、コーキングを剥がせば隙間があって当たり前と言えば当たり前なんですが・・・。

パネルボンド補強の基本はパネルボンド補強場所はコーキングを狙え!ですね。

 違う見方をしてみると、こんな状態でも素人がジムカーナをする程度の剛性は確保できているランサーエボリューションって車は大したものです! 

































下地出し作業。

 先に結論から言っちゃいますね。パネルボンド 補強は、接着面になる下地出し作業が全てを決めるんです。パネルボンドの効果を十分に発揮させるためには、パネルの地金同士を接着させることです。

 塗装の上から塗られたパネルボンドは、万一塗装が剥がれたときにボンドが一緒に剥がれてしまい接着効果が台無しになってしまいます。こんなことになったら元も子も無いですね。

 とは言っても、素人作業ですから塗装の上から塗ったとしても多少はOKとするくらいの割り切りは必要ですね。これがDIYのお気楽なところです。


 下地出し作業を手作業でやるとなると、この作業だけで日が暮れてしまいます。電動工具を総動員させ手早く綺麗に仕上げるのがポイントです。 

 電動ドリルにワイヤブラシを付けボディーの塗装を削り取るだけなんですが、ついついドリルの勢いが余って余計な塗装まで削ってしまうことがよくあります!余計な塗装を削ってしまうとホディーのサビの原因になってしまうので細心の注意を払いながら塗装の削り作業を進めましょう。

パネルボンド で接着する部分のボディー形状は、狭い所や入り込んだ部分がたくさんあるのでワイヤブラシは数種類用意してください。1st−Stageが使ったワイヤーブラシは円盤形タイプとホウキみたいなタイプの2種を使いましたが、正直2種類だけでは足りませんでした。同じタイプのブラシでも大きさや太さの違うものを幾つか用意すればもっと楽に、キレイに作業ができたはずです。

 

 横着して、サンダーで塗装はがしをしてみましたが、塗装面だけなくボディー鋼板を削ってしまいました! 軽量化の原点は、「チリも積もれば山となる」なので、悪くは無いのですがとにかく火花がすごい!火花がボディーにバチバチ当たった時にはびっくりというか、焦ってしまいました。グラインダーの選択ミスかもしれませんが、どうもしっくり行かないので今回は活躍の場は有りませんでした。


■まだまだ続く塗装剥がし
 塗装剥がしはこれだけでは終わりません。ワイヤーブラシ が入らない細かく入りくんだ部分の塗装が上手く削れませんでした。

 紙ヤスリや棒やすりを使いながら角度を変えたりして手作業で剥がすことになり、これまた根気のいる作業となってしまいました。






























































■ガンの作り方
 パネルボンドを塗るためには、専用のガンが必要です。 3Mのパネルボンド専用ガン は約3万円。(高い!)プロならば、仕上がりと効率の観点から絶対に専用ガンを必要とするところです。でもここは素人のDIY。コストと効率重視で作業を進めちゃいます!

 

 で、用意したものはホームセンターで一番安いコーキングガン2つ。1つ目のガンは本体全部を使い、残りのガンは、溶剤を押し出すロツドだけ使います。2つ合わせて合計376円(税込)。専用ガンの1/8のコストで完成しちゃいます。なんてリーズナブル!


 ガンの作り方に難しいところは全くありません。ガン本体にパネルボンドの容器をガムテープでガッチリ固定して、容器の後ろ側から押し込む2つのロッドをビニールテープやガムテープに針金等で固定すれば完成。あとは、引き金を引くとノズルの先からボンドが出てきますので手際よく塗っていくだけのはずだったんです。


 実は、この簡単さに落とし穴がありました!この失敗は実際に使ってみるまでは分かりませんでした・・・・。そんなに簡単に事は運ば無かったのです!

 しっかりと固定していたはずの2本のロッドが離れてしまったのです!ビニールテープでグルグル巻きにして固定したのですが、パネルボンドを押し出す力に負けてしまいビニールテープが伸び伸びになってしまいました。2本のロッドが離れてしまうと、黒い溶剤と硬化剤の割合が適切な割合で混じりません!適切な割合で2液が混じらないと、パネルボンドの硬化が早すぎたり、反対に全く硬化しないような事態になってしまうのです! 

 見事に1st−Stageは大失敗をしてしまいました!!




■大失敗から学んだ パネルボンド用ガン作りのポイントはたった1つ。
 2本のロッドを押し出す方向に重ね合わせ、ズレないように固定することです。たったこれだけです、簡単でしょ。ただ、中途半端な固定方法では失敗します。ビニールテープででぐるぐる巻きした程度ではダメなんです。必ずズレますよ。
2本のロッドをこれでもか!ってほど針金・タイラップを総動員して固定します。その上から更にビニールテープでぐるぐる巻きにして完成です。作業中も、2本のロッドがヅレていないかを確認しながら作業をすれば完璧!

 

 もうひとつ付け加えると、安物のガンは胴体部の剛性が足りないようです。ガンの胴体部分が引き金の上部辺りから下側に向いてしまいました。とはいっても使い捨てるつもりであれば、十分使えますので心配は無いです。ただ、あまりに曲がりが酷いと、これまた2液の調合割合が崩れてしまいますので、注意するに越したことはないでしょう。手でしっかりと胴体部分を支えながら、ひき金を引くことで、曲がり具合は最小限に抑えられます。

パネルボンドを塗る時の注意点!















































■すきまなく塗ること
 ガンが出来あがったら、いよいよパネルボンド 塗りです。ここまでたどり着くのに長い時間がかかりました。(はぁ〜。)

 ガンの引き金を引くとパネルボンドが押し出されてくるので手際よく塗っていくだけです。しかし、「書くは易し、するは難し。」これが上手くいかないのです。

 苦労して作ったガンの引き金を一度引くと、パネルボンドがにゅるにゅるっと勝手に出続けます。無駄なくパネルボンドを使い切るには手際良く作業することがポイントになります。あらかじめどこに、どのように塗るかの作業手順をイメージしておかないと高価なボンドを無駄に使ってしまうことになります。

■ボンドを塗るときの注意点
 パネルボンド の容器は直径3センチの丸い筒が2つ付いている特殊な構造をしています。別々に分かれた片方に黒い溶剤が、もう片方に硬化剤が入っています。容器の底を押すと2液が押し出され、先端のノズルの中で2液が絶妙な割合で混じる仕組みになっています。この特殊な構造ゆえに、専用のガン が必要になってくるんです。パネルボンドを塗るときの注意点は、常に2液の調合割合を意識することだったんです。


 DIY作業だと、この2液の調合割合が簡単に崩れてしまう可能性が高くなるのです。主な原因は、先ほど触れたガンの出来が良くない時です。

 また厄介なことに、パネルボンドは固まるまでに時間がかかるので、翌日以降にならないと上手く塗れたか失敗したかの結果が分からないところです。気温15度でパネルボンドが完全硬化するのに72時間もかかるのです!ヒーター等で加熱すると硬化時間を早めることができるそうですが・・・。


 パネルボンドの取説には「気温が低いときは作業をするな」というようなことが書かれいますが、今回の作業では、最初のうちは硬化剤の方が多く押し出されいたので気温6度の真冬でもしっかりと固まったてくれていました。

 でも、黒い溶剤の割合が多くなったときは最悪です!何時になってもパネルボンドが固まらないのです。困ったことに寒い日の作業だと寒さで黒い溶剤が堅くなり、固まった様に見えてしまうのです。上手く硬化しているんだろうなぁと思っていると、忘れたころにエンジンの熱でベトベト溶けた黒い溶剤がを見て愕然としました。

 結局、一度塗った黒い溶剤をはがしもう1度塗り直し、2度同じ作業をする羽目に!時間もパネルボンドも2倍使うことに。さすがに、これには参りました。(涙)

 安物ガンを使うと先ほど書いたようなトラブルが起る可能性があるので、面倒でも、1度外に出して黒い溶剤と硬化剤よく混ぜ合わせてから、ヘラを使いすり込む方法もやってみましたが、あまり効率的では有りませんでした。


 やり直しするハメになりましたが、硬化剤の割合を増やすと、真冬でも24時間程度で硬化することが分かりました。逆転の発想をすると、硬化剤の量を意識して変える事で硬化時間の調整ができるということです!ちなみにバランスの良いパネルボンドは、黒い溶剤が若干灰色っぽく見えます。

 気になるパネルボンド補強の効果の程は?「熱血!チューニングカー親父」 で紹介しています!効果が無いハズ無いですよ!

パネルボンドを塗りのちょっとしたコツ

















































■パネルボンドを塗り始めます
 パネルボンド塗る場所のパターンは大きく2通りあります。

1.パネル同志が、水平に重なっている揚合。

 こちちのパターンが圧到的に多いです。この場合、両方のパネルの継ぎ目をパネルボンドで覆うように塗りました。


2.パネル同志が垂直に重なっている揚合。

 フェンダーの上部なんかが当てはまります。この部分は、ちょっと手間をかけました。


 パネル同志の隙間にパネルボンドを押し込むように塗ってから、盛るように塗りました。


■ボンドの量
 たくさん塗った方が接着劾果が高いんじやないかなと思ったので、1st-Stageは、大は小を兼ねるの精神で、塗るパネルボンドの量は「大サービス!」の大盛りにしました。
 プロの塗り方と比べるとボンド量の違いは歴然ですね。プロの仕事ぶりを見ると、必要最少限のボンド量で、的確にパネル同志を狙っていますね。


 ひととおりパネルボンドが塗り終ったら、乾くのを待ちます。

 パネルボンド の取説には、次の作業に移れるまでの固さになるまで「〇〇時間」とあります。「〇〇時間!」も侍て無い!
 パネルボンドを暖めると硬化時間を早められるとあるので、ストーブを焚いたり、へアドライヤーの熱風をかけ暖めたりしてみました。

 乾くまでの間塗った部分をチェックをしてみると、塗装を削りすぎた部分がいくつかあります。このままにしておくとボディーが錆てしまいますので、錆止めのためにシャシーブラックをたっぷりスプレーしました。
写真のように、見えない部分は結構雑にやってますが、エンジンルームなど目に付く場所は美しくないですね。

そこで、ボディ一ぺンスプレーを使い塗りましたが、塗料が周囲に飛び散ってしまい、上手くいきませんでした。タッチペン等でハケ塗りするのが良いようです。

 こんな感じで、作業完了です。手間を駆ければかけるほど仕上は美しく、経済的にできます。


 気になるパネルボンド補強の効果の程は?「熱血!チューニングカー親父」で紹介しています!効果が無いハズ無いですよ!

1st-stage号もお世話になっています!

「モンスター江戸川店」



 貴方にとって何が合っているかを最優先に考えてアドバイスをいたします。
 貴方が、必要な物や希望される性能をプロの目で選び抜いた本物をご提案し、実際に装着した際のメリット/デメリットを交えてご説明いたします。
※『1st−stageのホームページを見た』
とお店に伝えると、きっと良い事が有りますよ!!








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